金銭登録器
2009年 12月 22日
我が家のレジスターについて、ディテールを少し。
これがNCR(米国ナショナル・キャッシュ・レジスター社)の金銭登録器です。
当時は世界中に何百万台も販売したようです。
我が家が6年前に登録文化財に指定されるまでは、
店蔵は単なる物置きでした。
その後、ぽつぽつと見学される方があって、
このままではみっともない、と店蔵のなかを片付けました。
このレジもその中のひとつ。土間に転がっていました。
(転がるといってもねえ。やたら重いんです。)
米国からの輸入品で、当時の購入価格の資料も残っています。
米国貿易会社とのやり取りです。
下世話な話ですが・・・。
價格金 壱千四百弐拾伍円 とあります。
1円=1万円として、1400万円くらいでしょうか。
今鑑定団に出したらいくら位かな?
醤油、穀物類の卸、小売りではそんなに儲かるものでもなし、
道楽で買ったとしか思えませんが、どうなんでしょうね。
当時のカラー写真つきのカタログも残っています。
写真といっても描いたもののようです。
レシートも出るんです。
ロール紙も純正品が残っています。
今の感熱紙と違って分厚い紙質です。
特注品だったようで、科目の指示書もありました。
最高額は699円99銭です。大正時代ですから、銭の単位まであります。
醤油の醤、味噌の味、三はなんの略でしょうか。
ガラガラガチャンと大きな音がして今でも機能しています。
40年以上、一滴も油をさしていないんですが。大したものです。
いつ動かなくなるか心配ではあります。
右にある取っ手も、トッテモ工夫されているんです。
頭がねじになっていて、取っ手そのものを取ってしまうと、鍵と同じ働きをします。
つまり、ぐるぐる回せなくなってレジが開かなくなってしまうんですね。
金銭出納のサンプルまで残っていました。
細かな指示が書き込んであります。
結構なすぐれものです。
しかし、活用したとは到底思えませんね。何せイングリッシュですから。
この金銭登録器を使っていたのは、昭和42年くらいまででしょう。
そのころのままの引き出しです。
左のビンは、レシートのインクが入っていたようです。
とにかく、大切にしたい品々です。