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江戸時代の登録文化財に住んでいます。日々の出来事や、出土(?)した古い生活用品などをお見せしています。北条の町おこしにも協力しています。


by たかぼん
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江戸の商家暮らし

店蔵の「揚げ戸」のお話です。
我が家にお出でになった方には大体説明しているので、
いまさら・・・なんですが、江戸時代のいわゆるシャッターのこと。

普段の店蔵の状態です。
江戸の商家暮らし_b0124462_19575749.jpg

揚戸を全部下ろしたところ。
江戸の商家暮らし_b0124462_2002768.jpg

右下にある、潜戸(くぐりど)です。
夜はここから出入りしたわけです。
江戸の商家暮らし_b0124462_2015624.jpg

二番目の写真に戻ってください。
左側の真ん中辺りに小窓があります。
「臆病窓」というそうです。
今、私が、はまっている小説家に佐伯泰英さんがいます。
この方の時代小説はえらく売れているようで、NHKでも陽炎の辻という題名で放映されています。
江戸時代のちゃんばら物なので、当時の商家も出てきます。
その中にこの「臆病窓」というのが出て来ました。
今のマンションの覗き穴と同じです。
江戸の商家暮らし_b0124462_2073025.jpg

アップにすると
江戸の商家暮らし_b0124462_2081137.jpg

よく見てください。扇子の形をした取っ手が付いています。昔の職人さんの
あそび心が分かるような気がします。

商家は銭があるというので、強盗に狙われることが多かったのでしょう。
時代小説にはこういったシーンがよく出てきますが、
これを見ていると、なんとなく実感できます。
「臆病窓」というのも、よく言ったものです。
いかにもおっかなびっくり覗き込んだ、といった様子が感じられますよね。
潜戸のある部分の板戸はほかの所よりも頑丈に出来ているようで、
えらく重いのです。簡単に蹴破られたりしないためですかね。
この重さを体感していただくために、
(自分ひとりじゃとてもじゃないけど疲れますので)
いつもお客様に上げ下げしてもらっています。
by hojo4027 | 2008-12-25 21:22 | 古道具