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江戸時代の登録文化財に住んでいます。日々の出来事や、出土(?)した古い生活用品などをお見せしています。北条の町おこしにも協力しています。


by たかぼん
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袢天(はんてん)が出てきました。

五月人形をしまっていたら、新品の袢天(袢纏)が見つかりました。
早速店蔵に飾りました。
前身頃です。よく見ると下の部分に宮清と灰色で染め抜いてあります。
袢天(はんてん)が出てきました。_b0124462_1994773.jpg

後身頃です。これは《ヤマニ》という宮清商店のマークです。
袢天(はんてん)が出てきました。_b0124462_19122543.jpg

なかなか絵になりますよね。一般的な袢天よりも丈が長いので、特別な時に着たものでしょう。
製造時期はわかりませんが、戦前であることは間違いないと思います。
松坂屋と三越と二種類の包装紙があって、三越のものには30枚口と書いてありました。
袢天(はんてん)が出てきました。_b0124462_1915454.jpg

宮清商店の袢天を今も持っている方に話を伺うことができました。
それによると、身頃を染め上げたものを、出入りの職人さんに渡し、奥さんたちが縫い上げる、という仕組みだったそうです。
縫い上げる前の布地も一緒に見つかりました。前立と身頃が別になっていますが、特に身頃は一枚の布地で全部つながっています。型紙があった訳でもなさそうなので、昔の女性陣は皆さん裁縫の素養があったんでしょうね。
袢天(はんてん)が出てきました。_b0124462_19415161.jpg

正月や、お祝い事、法事などのとき、これを羽織って手伝いに来てもらうのです。
何店ものお店に出入りすることが、職人さんのステータスで、正月などは、出入りの店々の袢天を何枚も重ねて着ることで、威勢を誇ったものだそうです。
by hojo4027 | 2008-05-11 19:58 | 古道具